カメラを360°回転させながら撮影した画像をもとに、コンピュータ・ディスプレイ上に高精細なパノラマ空間を再現する技術、それが高解像度パノラマVR(※)です。通常の写真やビデオがあらかじめ撮影者によって切り取られた風景しか見ることができないのに対し、高解像度パノラマVRは見る人が視線の方向を変えたり 興味のあるものを拡大したりと、空間そのものを自由に“体験”することが可能になります。 (※VR:Virtual Realityの略で仮想現実の意味)
コンピュータ・ディスプレイ上に仮想のパノラマ空間を再現する技術は従来から存在していましたが、表示サイズが小さく解像度の低いものばかりでした。弊社では業務用高解像度空間スキャナーと高性能デジタル一眼レフカメラを組み合わせることで、従来の5〜10倍の解像度を実現しました。
そのため30インチ ワイドディスプレイにパノラマVRを全画面表示した上で、さらに細部のズームアップが可能となっています。
【表示サイズの比較】
従来の技術では320×240ピクセル(QVGA:最近の携帯電話のほぼ標準的な液晶サイズ)程度の画像サイズが中心でしたが、弊社の高解像度パノラマ技術は2,560×1,600ピクセルの表示領域を持つ30インチ
ワイド ディスプレイへの表示ばかりか、細部の拡大も可能となりました。
下の例は、京都の梅小路蒸気機関車館で撮影したものですが、従来の320×240ピクセルの表示サイズでは機関庫内をぐるりと見回す程度しかできないのに対し、2560×1600高解像度パノラマVRでは蒸気機関車の部品(ナットや割りピンまで)拡大して眺めることができます。
【文化遺産の紹介】 | |
通常は一般公開していない文化遺産も高解像度パノラマVRならインターネットやCD-ROMなどで公開することができます。襖に描かれた絵画や欄間に施された細かい彫刻なども、業務用空間スキャナーで克明に記録するため、細部を拡大してじっくり鑑賞することが可能です。 | |
【学術調査・教育】 | |
遺跡の発掘現場や歴史的建造物内部の調査など、現場の空間をそっくりそのまま再現する必要がある場合などにも高解像度パノラマVRは威力を発揮します。 また高解像度パノラマVRは施設内部や特種な設備を使用したシミュレーション、研修やeラーニング分野にも真価を発揮します。 |
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【建築・土木】 | |
建築家や設計事務所の施行事例集への活用をはじめ、公園や港湾など周囲の景観との調和が重要になる公共施設の景観設計では3DCGと実写を組み合わせることで複数のプランを360°見渡しながら比較・検討することが可能となります。 | |
【出版・報道】 | |
著名な建築家の設計論をまとめた書籍にパノラマVRを収めたCD-ROMを同梱するなどの活用法が考えられます。 また災害や事故現場の克明な記録という意味で、新しい報道の形として高解像度パノラマVRを利用することも考えられます。 |
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【広報・観光関連】 | |
より印象的で効果的な観光資源のPR方法として高解像度パノラマVRを活用してみてはいかがでしょう。 避難経路を立体的に理解してもらうための教材など、防災面でも360°周囲を見渡せるパノラマVRは活用可能です。 |
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【メモリアル】 | |
長年住み慣れた家を建て替える際など思い出の詰まった空間も高解像度パノラマVRなら克明に記録し、再現することができます。廃校になる学校、区画整理で取り壊される街並みなども、高解像度パノラマVRなら写真やビデオでは残せない“空間そのもの”を保存することができるのです。 |
[Cubic VR]垂直方向に180°の画角を持つ魚眼レンズ等で撮影し、空と地面(天井と床)も見ることが出来ます。
[Panorama VR]垂直方向に90°程度の画角を持つ広角レンズ等で撮影しシリンダー(筒)状につなぎ合わせます。