a note

7月 FULL MOONと月面VRムービー 
 15歳 
 もうひとつのEposode I 
 the artisan spirit
 
 Hyper Text Museum 

 

1999

7月24日

 

■FULL MOONと月面VRムービー

 思ったよりは盛り上がらなかった7月20日だけど、この写真集とVRムービーにはカンドーした。

 まずは「もうひとつのEposode I」のコラムで触れた『FULL MOON』である。

Full Moonなにより1枚1枚の写真の情報量に圧倒される。従来報道写真として公表されていたものは、デュープにつぐデュープで、写真としての情報量は惨澹たるものだったという。またwebで公表されている写真等もこれらの“惨澹たる”写真をさらに圧縮したものなので、いくらNASAのサイトで直接“見た”としたとしても、本当の意味での“オリジナル”ではなかったというわけだ。
  この写真集の公式サイトなるものがあり、写真集の雰囲気を知るにはブラウズしてみるのもいいかもしれない。Voyageのページでは写真集に掲載されている写真を使ったスライドショー(バーチャル月旅行風にアレンジしてある)がShockwaveムービーで楽しめる。

  さらにFROM THE EARTH TO THE MOON(人類、月に立つ)のコラムで触れたHBOのドラマに、公式サイトの他にいくつか関連サイトがあることを発見。なかでもNatioanl Space Societyの“FROM THE EARTH TO THE MOON Viewer's Guide”にはドラマ製作のウラ話的な内容が豊富。しかし圧巻は“The Moon -Visit The Landing Sites-”のページ。

 月に降り立ったアポロミッション(11、12、14、15、16、17号)で撮影された月面のパノラマ写真が、QuickTime VRムービーとして楽しめるのだ。 マーズ・パスファインダーが撮影した火星のパノラマ写真をもとに作られたQuickTime VRムービーと見比べてみると面白いかも。

 圧倒的な情報量を持つ写真集と、別な次元での情報量を持ったバーチャルなムービーの取り合わせ。ある意味、理想的な組み合わせかも知れない。


1999

7月21日

 

■15歳

 7月25日がやってくる。そう。和歌山の「毒入りカレー事件」から丸1年がたったのである。

15歳ボクは「毒入りカレー事件」ウォッチゃーではないけれど、新聞広告で見つけた『インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」 四人はなぜ死んだのか』(三好万季著/文藝春秋刊)という本、と言うより15歳(中学3年生)の著者に感心した。

 本書は夏休みの理科の宿題で提出したレポートを文春編集部に持ち込み、掲載された原稿に加筆したもの。掲載された記事は「第60回文藝春秋読者賞」を受賞している。

 これだけ情報が氾濫する時代に、いかにに情報にアクセスし分析するか。「毒入りカレー事件」というよりは、いわゆるメディア・リテラシーに興味のある人にオススメしたい1冊。

 最近、書評ページみたいになってるなぁ.....。


1999

7月19日

 

■もうひとつのEposode I

 7月20日がやってくる。そう。お約束の月着陸30周年である。

 FROM THE EARTH TO THE MOON(人類、月に立つ) で触れたとおり、このところ地味ながらアポロ関係にハマっている。
人類、月に立つ
 打ち合わせの合間に書店をウロウロしていたら『人類、月に立つ 上巻』(アンドルー・チェイキン著/NHK出版刊)を発見。先月NHKのBSで放映していたドラマの原作本ということらしい。

 その本に『フロム・ジ・アース[人類、月に立つ]』のビデオが7月20日に発売&レンタル開始の折り込み広告があった。Episode Iが7月20日、以下2週間ごとに順次リリースするらしい。
 BSの放映を見逃してしまった某Sさんや、途中から見てハマった某T君はこの機会にレンタル・ビデオ屋さんへZEHI!


 さらに発見は続いた。本命というかなんというか『フル・ムーン』(マイケル・ライト編/新潮社刊)。

 アポロ計画を通じてNASAが蓄積していた32,000枚の写真のうち、ネガとリバーサル・フィルムの“マスター”900枚を初めて外部に貸し出し、そのデジタル・スキャニングを許可したとか。ちなみに印刷と製本はイタリアのミラノの会社。全世界同時発売デス。

 写真はさすがに鮮明。

 アポロ11号の月着陸船“イーグル”が静かの海に着陸したのは、アメリカ東部時間で7月20日の午後4時17分(日本時間7月21日午前5時17分)のこと。そういえば今年の7月20日のアメリカ東部時間9時には、Mac World Expo NYでAppleのiCEOのキーノートスピーチがある。1月のMac World Expo SFは確か「2001年宇宙の旅」のHAL9000が登場するオープニングムービーで始まっっている。
  ということは。こんかいのオープニングムービーは月着陸30周年にちなんでアポロがらみのオープニングムービーか? Macintosh Portableって確かスペースラブだったかスペースシャトルで採用されたはずだから、噂のiMac Portableの発表には最適なンじゃなかろうか。

 日本時間の22時からQuickTime4のストリーミングを使ったweb castがあるようなので、ちょっと楽しみ。

※と思ったらweb castは21日でした...。勘違い。 (07/20追加)


1999

7月17日

 

■the artisan spirit

 最近“技の価値”について思いを巡らす日々が続いている。

 きっかけはこの本を読んだことにある。

『俵屋の不思議』(村松友視著/世界文化社刊)。

  本書の帯には

「職人がいなくなったら、俵屋はなくなります」
世界に名だたる京都の老舗旅館「俵屋」を舞台に、一徹に貫かれる女主人と職人たちの志(こころざし)。
京都だからこそ生きる、こだわりの技と感性
とはなにか。「俵屋」の仕事人をとおして描く、その不思議の先に、京都の、そして日本の心が見える。

とある。たまたま本書の職人たちの筆頭に描かれている中村外二工務店の人々を追った『京の大工棟梁と七人の職人衆』(笠井一子著/草思社刊)なんて本も見つけてしまったりして、クライアントから見た職人の存在と職人技の価値、職人から見たクライアント、なんてことに心が向かっていた。

 そしてまたもや偶然にも、MTBショップを開いている10数年来の友人から“ノウハウの料金化”にまつわる興味深いハナシを聞いた。インターネットの普及がMTBの小売店に大きな影響を与えているというのだ。アメリカの大手MTBメーカーがwebサイトも含めた世界的な直販チャンネルの構築に動きだす一方、国内の小売店も“売りっぱなし・保証無し”によるコスト切り詰めが可能な通販に乗り出し始め、また従来遠くからわざわざショップに買いに来ていたマニア層も値段の安さと便利さに魅力を感じてこうした通販を積極的に利用するようになっているのだそうだ。
 「でもウチは通販を始めようとは思わない」と友人は言う。珍しいパーツをいち早く手に入れようという人は海外から直接購入しているし、国内の小売店による通販は早い話価格競争であり、今から参戦するにはよほどの資金や体制がないと勝ち残っていけないと読んでいる。

 そこでその友人が考えているのは、“モノ”ではなく“ノウハウ”の販売へのシフトである。“ハード”を簡単に手に入れることができるようになるのであれば、いかに“ハード”を楽しむか、いかに“ハード”を使いこなしていくのかという“ソフト”の部分に注力していこうという考えなのだ。つまり友人のショップだからできる、こだわりの技と感性の部分で勝負しようというわけだ。彼らしい決断だしぜひともうまく行ってほしいと思っている。

 でもコレって、ボクがかかわっている仕事にも言えること。ヘンに価格競争になっちゃって、蓄積したノウハウの部分にはお金が支払われにくいのである。

 ってなわけで、ノーザンライツのこだわりの技、見たい方はコチラをどうぞ。ま、そんなに力むほどの内容じゃありませんが....(要QuickTime3以上)


1999

7月1日

 

■Hyper Text Museum

 QuickTime4の日本語版がそろそろ登場するらしいFlash4の日本語版も今月末に登場が決まっている。 日本のインターネット人口が2,000万人を超え、メディアリッチでエンターテイメント性を重視したwebサイトがアタリマエになっている今だからこそ紹介したいサイトがある。

A-Bomb WWW Museum

 イマからちょうど4年前、ボクがインターネットに初めて接続して「これぞwebサイト」とカンドーしたサイトである。当時のことだからgifアニメーションもshockwaveも使っていないけど、本文の注釈としてハイパーリンクを辿っていけば、オリジナルの情報を簡単に参照できるようになっている。リンク集のページを作ってハイおしまいってサイトが多い中、ハイパーテキストの持つ本来のパワーをもっと見直しても良いンじゃないかな。

 このコラムを書くために、A-Bomb WWW Museumを読みながらリンク先をどんどん辿っていったら、エノラ・ゲイのコックピットのQTVRなんていうムービーがあった。 本文を読みながら注釈として見るVRムービー。ナカナカ説得力があるもんだ。やっぱQTVRならOK、shockwaveムービーならOKなんていう時代はとっくの昔に終わってるってことっスね。


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